地域デザイン実践講座1回目開催レポート

昨年度も大人気だった、SASI DESIGN代表 近藤清人さんによるデザイン講座
はじめての方と昨年も受講された方が入り混じって、今年もスタートしました。

近藤さんは先日新たに三宮での事業も開始し、大変お忙しい中なのに
今年度も講師をお引き受けいただき、心から感謝です!

1回目となる今回は、デザインとはなんなんだろうということをとことん考えようということで
近藤さんから問いが投げかけられます。

デザインってなに?
デザインに期待することは?

みなさん自分の考えを思い思いに話します。

視覚的に訴えてくれるもの。気持ちが豊かになる。
発展。広がっていく様が伝わる。何かが生まれていく。

夢を実現する。生活が豊かになる。ワクワク感や表現など。

この講座を受講するということは、デザインに関心の高い皆さんですので
カッコイイとかカワイイとか見た目だけを期待しているわけではなさそうです。

価格も、見た目も、量も、味も、納期も全く同じ製品があった場合
一番手っ取り早く売れるのは価格を下げること。
でも、それだとどんどん過当競争に巻き込まれていきますね。

デザインをしっかりと理解していないと
付加価値をどのようにつければよいか、わからなくなってしまいます。

デザインは
こうなったらいいな、よりよくしたい
と思わせるための仕掛けや工夫

具体的な課題を抽出して、それを情緒的に作用するような解決の仕方をすると
結果的にスタイリッシュになったり、可愛らしくなったりするのだそうです。

言葉だけではなかなか難しいですが、
近藤さんたちが手がけている
パッケージデザイン
プロダクトデザイン
ネーミングデザイン
空間デザイン
ソーシャルデザイン
などなど実例をたくさんご紹介いただきました。

昨年ご紹介いただいたものから、更に
心理面に踏み込んだものやパワーアップしたものがたくさん!

デザインの起源を遡ると、
イギリスで産業革命における大量生産で安価で質のよくないものが出回った際
ウィリアム・モリスが美しさによる豊かな生活を取り戻そうと
アーツアンドクラフツ運動を起こしたことが起源だと言われているそうです。

新しいもの、きらびやかなものがもてはやされた時代があり
デザインは見た目をよくすることだと捉われがちですが、
本来の意図をしっかりと掴んでいるからこそ
近藤さんのデザインは人を惹きつけるものになるのですね。

デザインを把握したところで
次に、近藤さんたちがどのようなプロセスでデザインを行なっているか
優しさ溢れる整形外科の空間デザインをした実例からお話いただきました。

対象地のこと、ユーザーとなる対象者や行動など
細かい部分まで調査し、仮説を立て、とことん考えます。

例えば、整形外科によく来るのは高齢者で足が悪い人もいるだろう。
車で送り迎えをしてもらうだろう。運転は親を送迎する女性が多いから駐車場は車を停めやすいような表示を設置しよう。
目が見えにくくなっている人もいるから院内の表示もわかりやすくしよう。
などなど
ありとあらゆる面から考えられていることがわかります。

実物もたくさんお持ちいただき、(ポイントのみざっとですが。講座の時間が限られるので涙)ご紹介いただきます。

学ぶだけではなく
どういう意図でデザインされているのか、考えるトレーニングも行います。

黒電話のいいデザインだなと思うところは
手に優しいカーブや、高級感漂う色、説明書がなくても簡単にオンオフ行える
そして居間で家族に聞かれないように伸び縮みする受話器の線。
他にもたくさんの視点が出てきます。

缶のプルタブの、とっても目から鱗だった視点は
ぜひ受講された方からお聞きください!

市販の商品についても
いいデザインだと思う点を開発者の視点に立ち、考えます。

まるでみなさん
ご自身で実際に作ったかのような、見事なプレゼンテーションでした。

このようにデザインのプロセスを逆に行うことは
デザイン思考のとても良い訓練になるのだそうです。

人気デザイナーとしてどんどん先へ進んでいく近藤さん
吸収したことを惜しみなく全力で伝授してくれる
本当になんとも贅沢な講座だと実感する1回目でした。

また次回も本当に楽しみです!

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2017年度地域デザイン実践講座の開催レポートはこちらから
地域デザイン実践講座1回目開催レポート
地域デザイン実践講座2回目開催レポート
地域デザイン実践講座3回目開催レポート

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