ラーニングカフェ「地域にとってのデザインとは」開催レポート

神戸KIITOで9月毎週木曜日にお届けする「地域をデザインする ラーニングカフェ」
第1回目のゲストは、デザイナーで篠山チルドレンズミュージアムの館長も務める垣内敬造さん

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垣内さんは30年以上デザイナーとして第一線で活躍しており、
あのNHK人気キャラクター「おーい!はに丸」くんを作った張本人です。

まずは垣内さんのお話

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高校でマンガ研究会をつくったこと
大阪芸大のときはに丸とひんべえが生まれたこと
大阪でデザインの仕事をし、子供が生まれて篠山に戻ったこと
篠山で寝て大阪でビジネスの生活スタイルや
アメリカで行なわれているチルドレンズミュージアムに感銘を受けたこと
そんなとき自分の卒業した中学校が、チルドレンズミュージアムになることを知り、ボランティアとして参画したこと
市の財政難で休館になってしまったこと
3年前に再開館にこぎつけ、地域の理解を得るために自分が館長としてスタートしたこと
このときに「地域で動く力」が身に付いたこと

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デザインすることとはアイデンティティをはっきりさせてコミュケーションすること。地域にはまだ師をなぞるような伝統的な日本文化が残っており、それは自己をはっきりさせないので、基本的にデザインとは相容れないこと。
ただ、どちらかに偏るのではなく、両方がわかった上で作られるものがあること。

ちるみゅーの館長がデザイナーの側面を持つことで役立ったと思うのは、チラシなどのデザイン業務ももちろんだが、
デザイナーの本質は隠れた課題を見つけ解決するところにあるので、運営上の本当の課題を見つけるのに役立ったこと。
また、ワークショッププログラムの企画において、デザイナーは普段から材料・原価・工程・参加者の技術力などを考慮するので役立ったこと。
篠山チルドレンズミュージアムでは、子供に教えるのではなく子供が自分で気付くことを大切にしていること。それには「場」が大切だということ。
大人が子供と遊ぶことで元気になるところを見て、少子化地域にこそチルドレンズミュージアムが必要だと思ったこと。
などなど

都市部でデザイナーとして第一線で活躍している経験と
地域に根を張り活動している経験を併せ持つ垣内さんならではの視点も交えて
地域とデザインについてお話しいただきました。

次は参加者同士のグループトーク
テーブルで、お互いに話をしながら
気づいたこと、聞きたいことを書き出してもらいます。

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やはり興味深かったことは、日本の田舎と西洋的な考えのデザインという視点や、
トポス(場)をつくるといった内容。
聞きたいことは地域でデザインという仕事をするコツや、
ちるみゅーの運営に関すること、今後の展開など

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垣内さんからは
都市部から全てを捨てて地方に来るのではなく、保険を持っておくのがよいのでは。
ちるみゅーでのボランティア運営は、それぞれの役割を担ってくれるハブとなる存在がいること。
地域でデザインという仕事は需要が増えていくだろうが、都市部のコンサルに知識だけでアドバイスをされても地域の人は本気かどうかを見ている。
というようなご意見をいただきました。

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垣内さんは、篠山チルドレンズミュージアムを残していくことは自分の天命だと思っているそうです。

赤字を抱えた施設を再開館することはものすごく多くの障壁を乗り越えて今に至るのではと予想されます。
デザイナーとしてご自身の経験を活かし、地域のため、子供ために全力で取り組んでいる存在がいるということは、丹波地域にとって大きな財産です。

地域をデザインする「ラーニングカフェ」は残り3回
丹波地域の実践者を紹介していきますので、ぜひ奮ってご参加ください^^

9月15日(木) 吉竹恵里「クリエイター、地域に飛び込む」
9月22日(木) 加藤寛之「マーケットをプロデュースする」
9月29日(木) 金野幸雄「空き家とまちのデザイン」