先進事例で学ぶ地域づくりコース1「農山村とシニアの活躍」開催レポート

地域づくり大学「先進事例で学ぶ地域づくり」コース1回目。

「先進事例で学ぶ地域づくり」コースは、毎回その道の第一人者をお呼びして、
他の地域の事例を見ながら学ぶ地域づくりの基礎コースです。

第1回目は兵庫県立大学の杉山武志先生。
環境人間学部で、社会経済地理学を専門にされている杉山先生は各地のコミュニティビジネスを見て回られています。

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兵庫県はほとんどが多自然地域。

「多自然地域」はいい言葉だと杉山先生は言ってました。
限界集落と言う言葉はどこかネガティブな印象を受けます。

地域の意識を持つにあたって小学校区の存在はとても重要だそうです。
子供の数が減少するにつれ小学校の統合が各地で行われます。
廃校になり、小学校区がなくなったときのショックは実はとても大きい。
まるで自分たちの地域が否定されているかのような気分になってしまう。

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丹波市も今年で最後の小学校がありますね。
最後のお祭りを盛り上げようとしたり、地域で有志のグループを作りイベントを行っている取り組みは、すごく大切なことをやっているんだなと改めて思いました。

高齢化、少子化の課題は日本全体の課題です。
シニアの活躍、都市と農村の交流、そして経済の循環が
人口が減っていくなかでも、元気な日本であり続けるカギとなるように感じます。

杉山先生からは、新温泉町の三尾や海上、宍粟市の鷹巣や千町、淡路市の生田村、それから葉っぱビジネスで有名な徳島県の上勝町など
各地で行なわれているコミュニティビジネスの売上や販路、運営の様子など、具体的な事例をご紹介いただきました。

どこの地域でも、成功しているところほど
関わる人の本気度が高く、人生をかけた取り組みを行っているそうです。
どんなにいい仕組みを作っても、実際に自分が動いているか、自分の体を使っているかは顧客に伝わります。
つまり、上手くいかないと嘆く前に、自分たちが全力で取り組めているのかどうか見直さないと何をやっても同じことかなと。

それから、大切なことは
1軒1軒との対話を徹底的にもつこと。
最初は趣味や好きなことなどたわいもない会話から、目標に向かった具体的な話まで
信頼関係を築いていくことが、何をするにも必要なんですね。

お話を聞き終わったら、グループに分かれて、質問や気づきなどを共有します。

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みなさん気になるところは
誰がリーダーをするのか、モチベーションをどう維持するのか、
どのように対話の場をもつのか、都市との交流をどのように作るのか
などなど。
どこの地域でも課題になることで、何が答えか一概には言えないことばかりですが
他の地域の事例から、最適解を見つけていきたい内容です。

各地の成功例や失敗例などさまざまな取り組みを見てきた杉山先生からは
リーダーの存在ばかりがクローズアップされるが、成功している事例にはどれも周りにサブリーダー達の姿があって、それぞれの役割を担っている。サブリーダーは対話をしていく中で見つかるのではないか。
成功までは時間がかかる。10年20年でやっと発展するし、どんなことにも波があるので、下がっているときに諦めないこと。
対話の場は、自治会長が1軒1軒回ったり、方向性がはっきりしてきたら集まったりなど。都市との交流には行政の役割がとても重要になることなど
の考えをいただきました。

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地域づくりとひとことで言っても、すぐによくなる答えや方法があるわけでもなく
けっきょくは地域での暮らしをどのように積み重ねていくのか、日々何をして過ごしていくのかということなのかもしれない。
ただ、他の地域のことを知ったり、地域のいろいろな立場の人とつながることは、何かが生まれる可能性を高めるように感じるのです。

先進事例で学ぶ地域づくりコースは月に1回ペースで
毎回各地から専門家をお呼びする貴重なお話が聞ける場です!

次回は9月28日(水)19:00〜21:00
中尾誠二さんのグリーンツーリズムはこう攻めろです。
お楽しみに^^

お問い合わせ:丹波市まちづくり部市民活動課 生涯学習係
TEL 0795-82-0409