さて、今回で2回目の野遊びリーダー塾。
今日のテーマは「子どもの発達と野外体験です。
今日も体験からスタート。さてこちらの葉っぱ。
「噛んでみて」と講師のマリオさん。
噛んでみると・・・酸っぱい!
この木の名前、和名は「酢の木」というそうで「そのままやんっ」と突っ込みたくなる名前です。
学名ではなく日本の和名はみたまま、感じたままをつけた名前が多いそう。(前回の椿の話も参照)
さて今日のテーマは「子どもの発達と野外体験」
みなさんは教育の目的ってなんだと思われますか?
「自立」した大人になること。
この目的、意識されないまま教育していることがよくあります。
保育の学んでいる大学の授業でも1年に1人や2人は「先生、トイレに行ってもいいですか」という学生がいます。これは何なのか。「行ったらアカン」といえばいかないのか。
自分で考えて判断して行動していないからこういう言動になるわけです。
自立するには考えて⇒行動して⇒行動して⇒振り返る⇒また考えるというサイクルを回していきますが、これができない。
なぜなら、
聞いたら怒られずにすむ。教える方も聞いてくれたら行動を制御できるので楽。こういうことを気づかない間に続けていてよいのでしょうか。
■教えると学ぶ
道端のゴミ。これがあるのは何故か。「ゴミを捨てるのはアカン」
少数ではあるとは思いますが、ゴミのポイ捨てをする方は後をたちません。少なくとも9年間は義務教育を受けているのにゴミのポイ捨てについて何の役にもたっていない…。これは教えたら治るというものなのでしょうか?ゴミを捨てているとどのようなことが起こるのか考えて判断するということを放棄しているとポイっと捨てても何とも感じないのです。
では考えて判断できる大人を育てるには。
ここで脳の発達の側面を見ていきました。
脳は学んでいくのにある程度適した時期というものがあります。
例えば言語。小学生の間に海外にすむと3~4か月もすると、現地の子どもと子供同士で会話をすることができる。これが大人となると時間がかかります。それを思うと言語を学びやすい時期はあるのです。
音楽でいうと絶対音感。さまざまな音を聞くとそれが全て音階で聞こえるのです。この感覚はある時期に訓練すれが誰でも身につけることができるそうで、その時期を過ぎるとその能力を習得するための脳の部分が反応しなくなる。発達は本来持っていた能力を捨てることでもあります。
人間の感覚は子どもの頃は鋭敏ですが、使われなかった機能は使えなくなっていきます。
わかりやすかったのが納豆のお話。マリオさんは関西で生まれ育ったため、子どものころに納豆を食べなかった。すると納豆の匂いと腐った匂いを区別する能力を失ってしまった。大人になってからでは取り戻すのが難しい感覚の一つです。
子どもの教育は学ぶのに適した時期があって、この時期に野遊びを体験することで後で理屈がわかったときに「腑におちる」。
さてこの辺で、前回のつばきの笛につづいて今回はイタドリの笛。
ビール瓶を吹くと音がなりますよね。その感覚で筒を吹くと「フォーっ」と音が鳴ります。
こういうのって何とも言えないうれしい気持ちがわいてきます。子どももまたしかり。
次に渡して下さったのは黒文字の枝。
この枝は昔、山仕事をする人達がお茶の代わりに煮出して飲んでいたそうです。
切っていただいた枝から柑橘系の爽やかな香りがします。胃腸にもよいのだとか。
野遊びは安全なばかりではありません。山には虫もいるし、木の枝など、とがったものでケガをすることをあるかもしれない。この「危険」の感覚は大切です。危険を感じて自ら注意しなければならないということを身に着けていきます。体験が豊かな子どもは学ぶ力も強くなっていくのです。
危険があるから自立することも覚えていく。
子供同士で伝わっていたこれらの体験が同学年とばかり遊ぶようになり、伝承されなくなったいま、野遊びを学ぶ機会の重要性が増しています。
第3回は野遊びメソッドあれこれ 8月16日(火) 19:00~21:00
途中からでもお申し込み可能ですので是非ご参加下さい。
お問い合わせ:丹波市まちづくり部市民活動課 生涯学習係
TEL 0795-82-0409
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