ソシエテ・リベルテ東京編。第2回目が10月5日(木)に開催されました。
東京編は5回シリーズで、1つのテーマを深めていくスタイルです。前回の第1回目は「複属化する社会」がテーマ。複属化とは、職場と家庭の往復だけの毎日ではなく、複数の居場所、複数のコミュニティに所属し、職場、家庭、複数の地域活動にかかわる人々の現象のことで、丹波地域の移住者に顕著に見られるライフスタイルです。さらに議論の中で、丹波地域のみならず元気なローカルに共通の特徴ではないか、という仮説も見えてきました。
そんな流れのもと開催された第2回目は、丹波市・篠山市の移住相談窓口をつとめる2名をゲストに迎えて、複属化を促す「関わりしろ」づくりをテーマに議論が展開しました。
ゲスト 丹波市移住相談窓口相談員 田代春佳さん / 篠山市移住相談窓口相談員 林健二さん
この東京編の面白いところは、第1回目からの流れを引き継ぎながら回を重ねてテーマを深堀し、ソシエテ・リベルテの本題である「ローカルシフトを広げる・浸透させるキーワード・キーアクションを探っていく」ことです。
メンバーも多彩で、IT、人材、出版、マスメディアなどの経営者やその業界で長年のキャリアのある方、大学生やわざわざ丹波地域からくる人まで幅広く、さらに、仕事も暮らしも都市部派、仕事は都市部で暮らしはローカル派、都市部からローカルに移住派などライフスタイルもさまざま。多様な意見が得られる場で、しかもほとんどの方が継続参加されていて、まさに東京編自体がコミュニティになりつつあります。
さて、第2回目のディスカッションのテーマは「関わりしろ」づくり。
ゲストである丹波地域の移住相談窓口は、日本各地のローカル地域のなかでも移住に先進的な地域です。関わりしろづくりにおいては2市それぞれの特性があるとのこと。丹波市は、小さなコミュニティや地域活動がたくさんあり、相談員が自ら移住者にマッチングできそうなコミュニティを発掘し、そのコミュニティに移住希望者を紹介することで関わりしろつくっています。一方篠山市の場合は、移住を促す様々なコミュニティを相談員自らがつくり、移住検討者に参加してもらうことで関わりしろをつくっています。
移住促進において関わりしろはとても重要だが、関わりしろづくりが相談員の属人性によることが課題だという相談員からの課題提起もあり、関わりしろをテーマに議論が白熱。丹波地域のように移住者や地域の人の関わりしろを増やすには「可視化」が重要だという視点がみえました。
たとえば丹波市の場合。丹波市は市民の約4割がfacebookユーザーと言われています。チラシや新聞などのマス媒体で発信されないような小さなイベントでも、SNSを通じて情報発信できることで誰もが気軽にコミュニティや企画の主催者になれるし、情報共有されることで誰もが関わりしろを見つけることができる。SNSが関われる場所を可視化しているということです。
さらに可視化の話題は、移住を促進させるカリスマの存在もクローズアップさせました。丹波地域に移住し自己実現している人たちの中には、人に影響を与え移住の後押しをするパワーのある人がいるという説。これも突き詰めれば可視化の一つで、彼らのキラキラした移住サクセスストーリーや、彼らの持っているコミュニティやネットワークに触れて、移住の素敵なイメージを喚起(可視化)させられて、ワクワクして移住したくなるというもの。
議論には上りませんでしたが、丹波地域の移住者たちがよく言う「丹波に遊びに来るなら、だれかに案内してもらわないと面白くないよ」という言葉。これも、可視化してくれる案内人がいてはじめて、コミュニティの存在やキーマンの存在をしれて、丹波の魅力と関わりしろに触れれるということだと、議論を聞きながら改めて感じたしだいです。
たとえ、キラキラしいカリスマ性はなくとも、丹波愛にあふれる人から熱烈に丹波の魅力を聞かされることでココロ動くこともある。これも熱烈な可視化かもしれない。関わりしろづくりは、可視化が重要であることと、同時に様々な可視化の可能性があることを知った第2回目でした。
次回、第3回目は11月2日(木)19:00~開催です。日本遺産のまち篠山市でスタートした「篠山イノベーションスクール」仕掛人がゲスト出演。地域で「学び」の場の創出に取り組んできた狙いについて語ります。都市から地方に向かう流れを後押しするために地域の側で取り組まねばならないことは何か、議論を深めます。
ゲストスピーカー:中塚雅也 氏(篠山イノベーターズスクール、神戸大学農学部准教授/篠山市)
会場:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(東京都港区六本木6-15-21 ハークス六本木ビル2階)
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